追悼連載

海へぽろぽろと

元同僚　中嶋昭一

月日の過ぎるのは早いもので、もう半年がたちました。きっと今頃は、向こうででいい飲み屋を見つけて、楽しく一杯やっていることでしょう。やがて私たちも、そちらに伺いますので、そのときはまた昔のように、お付き合いをよろしくお願いします。

しかし、直ぐにというわけにもいかないのでもう少しお待ちください。私たちにも、いろいろと準備や都合がありまして、人生思い通りには運びません。寂しいかもしれませんが、ちょっと我慢してください。

でも今日は、先生の最後の希望を叶えるため、私たちは、故郷である碧南の海にやってきました。ここは、先生が少年時代に、友達と海水浴をしたところでしたね。卒業生の協力で、その大浜沖に船を浮かべて散骨をし、奥様の孝さんと村上・荻野・中嶋で一杯やりました。お好きだった秋田の銘酒・高清水を、先生にも浴びるほど呑んでいただけるようふるまいました。

先生、今生の別れ酒はどうでしたか？やっぱり先生のお声が聞きたいよ、お顔が見たいよ。もう一度、みんなで一緒に一杯やりたいよ、おれ駄々っ子みたいだな、さびしくって、ぐでんぐでんのぽろぽろだよ。